ペット海外事情レポート in サンフランシスコ ①動物病院編

2016年の冬、ペット先進国といわれるアメリカのサンフランシスコを訪問しました。
 
子どもの数より犬の方が多いとされるサンフランシスコ。

多くの店の前には犬用の飲料水が置いてあり、街中には「ペットのうんち袋ボックス」が設置され、公園では囲いのない場所でもノーリードで自由に遊ばせることができるなど、ペットとペットオーナーに優しい環境が整っています。
 
今回は現地の動物病院、動物保護施設、ペットショップを見学する中で知った、日本との違い、そして魅力をたくさんの写真と共にご紹介します。

郊外の一次診療施設「East San Rafael Vet Clinic
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まず向かったのは、サンフランシスコから車で30分の郊外に位置する一次診療病院。獣医師7名、動物看護師11名、事務スタッフ7名が所属しており、獣医師には1名ごとに1部屋、診察室が割り当てられています。
 
ワンちゃん用とネコちゃん用で入口が分かれており、なんと診療時間は7時30分~18時まで! 時間の長さ自体は日本とあまり変わりませんが、サンフランシスコでは朝早くから診療している動物病院さんが多いようです。

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まるでホテルのロビーのような高級感のある受付。

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空き部屋とは思えないラグジュアリー空間でくつろぐ、病院で飼育されている猫とウサギ。

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そして日本との一番の違いは、医療機器の充実度。日本の一次診療施設と比較するとかなり大きな病院なので、さぞ充実しているのだろうと思いきや、実は院内には一台もエコーがないそうです。

その理由は「一次診療施設と二次診療施設の分業がしっかりしている」から。二次診療や救急対応のできる施設との連携がきちんとできているので、一次診療の施設としてはそれほどの設備は不要という考えだそうです。

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「それで経営は成り立つの?」という疑問も出てきそうですが、それにはいくつかの理由があります。
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★人間と同様、ペットも診療費が高い

★完全予約制な上に、一匹に対しての時間が定められており、回転が速い

★予防医療が浸透しており、定期的な来院がある
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アメリカの獣医療は、問診・コンサルティングに重きをおき、その時間の長さに応じて対価が発生します。(日本の弁護士のような料金体系です)

もちろん問診を経て、必要と診断された処置や薬の処方でも費用が生じますが、二次診療施設では専門分野以外は基本的に診てもらうことができないので、動物の体全体を把握しているのは一次診療施設・プライマリードクターだけ!
 
先に上げた3点に加え、日々の生活のすべてを細かにサポートし、適切に二次診療施設へと誘導する役目を担うことで、経営が成り立っているようです。


郊外の二次診療施設「Pet Emergency & Specialty Center Of Marin
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次にご紹介するのが、獣医師50名以上を抱える救急・二次診療専門病院。こちらもサンフランシスコ中心部から車で30分ほどのところにあります。各種検査機器はもちろんのこと、CTも完備。地域の一次診療施設と連携し、万事に備える体制ができています。

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受付はとても広々!  待合スペースにはクッションまで置いてあります。

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人間の大学病院のような雰囲気ですが殺風景でなく、犬猫の写真や絵画が随所に飾られています。

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こちらは入院中の動物たちが一元管理されているモニター。入院時に必ず写真を撮って、品種や年齢、症状など、次に何の処置を実施すれば良いのか一目で分かる状態にしてあります。獣医師や動物看護師は、それぞれ1台ずつ同画面を見られるiPadを持ち歩き、ケアにあたります。

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そしてここが宿泊先のホテル…ではなく、なんとこちらも病院の施設。通常の診察室ではなく、ペットとの最後の時を過ごせるようにと作られた部屋です。

落ち着いたインテリアに、少し落とした照明と、ゆっくり安心して過ごせるよう工夫が凝らされています。部屋のすぐ近くには、専用の出口が設置されており、受付や待合室など人目に触れるところを通らずに帰ることができるようになっています。
 
こちらの病院では、ペットロスのケアも月に1度、無料で行っているとのこと。日本で取り入れるにはスペースや人員の問題など、難しい部分もあると思いますが、飼い主さんの心に寄り添う、素晴らしい取り組みだと思いました。


中心部の一次診療施設
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郊外だけでなく、もちろんサンフランシスコの中心部にも動物病院はあります。こちらの病院は、なんと1938年設立!

敷地面積は繁華街の大通りに並ぶ他の店舗と大差ありませんが、勤務する獣医師の数が多いことが特徴で、このような小規模な病院でも3~5名が必ず常勤しています。

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立ち位置としては郊外のものと変わらず、一次診療施設は二次診療施設と提携することで設備投資を最小限に。どの動物病院にも入口のドアには救急対応をしている病院の連絡先が貼られています。

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真ん中の緑色の建物が動物病院です。おとぎ話の中に出てくるようなおしゃれ感。

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大きなガラス窓が目を引く、一軒家のような動物病院も!

※大麻入り商品を販売!? 豪華すぎるスペース?? ペットショップや動物保護施設についてはこちら

ライター紹介

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川村 朱里

大学卒業後に入社した会社で通算300件以上のペットショップ、動物病院を訪問。その時に感じた「ペット業界をもっと盛り上げたい!」という思いをカタチにすべく、一念発起し、シグニに入社してもうすぐ1年。愛犬たちをこよなく愛する、寅年蠍座の1人っ子。