ペット海外事情レポート in サンフランシスコ ②ペットショップ・動物保護施設編

動物病院編に続き、サンフランシスコのペットショップや動物保護施設事情をご紹介。

日本でも近年、ペットショップが生体販売をやめたり、愛護団体が保護猫カフェを運営したりと、さまざまな動きが出てきていますが、ペットフレンドリーな場所として知られるサンフランシスコでは、どのような仕組みが築かれているのでしょうか。

※動物病院事情についてはこちら

中心部に近いペットショップ「Pet Food Express
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ちょっと個性的な建物のこちらは、サンフランシスコの中心街から、車で10分ほどの場所にあるペットショップ。

ペットショップといっても日本のように生体販売はなく、フードやグッズのみを取り扱っています。(2017年2月にサンフランシスコでは、ペットショップでの保護犬猫以外の生体販売を禁止する法案が可決されました!)

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商品のラインアップはとにかく豊富で、ペットフードは一般的な日本のペットショップに比べ2倍以上! 

店内にはフィラリア予防薬まで置いてあり、定期的に店舗を巡回している獣医師から処方を受けることで、動物病院に足を運ばなくても手に入れることができるようです。

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こちらのショップは週に1度、処方を受けることができます。


郊外のペットショップ「pet cottage
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こちらは、サンフランシスコ郊外に位置するペットショップ。規模は大きくないものの、オーガニックのフードをメインに取り扱うこだわりの店舗です。

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パッと見た感じは、まるで人用の食べ物! こちらはチルドタイプのペットフードで、店内には犬猫のフード専用の冷蔵庫がメーカーごとに設置されていました。日本ではまだ要冷蔵のフードはなじみがありませんが、海外では大きくシェアが伸びているようです。

日持ちがしなかったり、多少割高になったりしたとしても、オーガニック系フードを選ぶ飼い主は増えているとのこと。総合栄養食もありますが、何種類か混ぜ合わせて与える商品もあります。

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冷蔵庫には他にもこんなにたくさんの商品が詰まっています!

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こちらの商品は、驚くことに大麻入り! サンフランシスコでは合法で、精神を安定させる効果があるのだそうです。


猫用ペットホテル「CAT’S CRADLE
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こちらの施設は、猫専門のペットホテルです。

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預かり中の猫たちが、木の上やベッドなど、思い思いの場所で過ごしています。

他の家の猫同士でけんかにならないのか心配になりますが、スタッフの方曰く、自分のテリトリーでない場所に連れてこられるとおとなしくなるとのこと。このほかに個室も用意されていて、数日間様子を見た後に大部屋へ移動するそうです。

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個室タイプも色々で、隠れ家のように狭いものや、通り穴で上の部屋に移動できるものもあります。


動物保護施設「Marin Humane Society
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実は私が今回の訪問で一番衝撃を受けたのが、保護施設「Marin Humane Society」。

施設自体の規模も大きいのですが、保護されている動物1頭に与えられているスペースの広さが特徴的です。

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運用資金の多くは寄付でまかなわれており、たくさんの方々が仕事の合間を見つけてはボランティア活動に参加しています。

見学した施設は、近隣の学校と提携し、ワークショップを多数開催していました。教育カリキュラムの一環として、保護施設内でボランティアの重要性や犬のトレーニング、人と動物の共生の仕方について、幼少期から学べる仕組みがあるそうです。
 
ボランティアは、こういった教育を通じて当たり前のものとして認識されており、保護活動も社会の重要な取り組みとして組織が確立されています。

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施設内には獣医師が常駐。去勢・避妊手術を行ったり、動物のケアをしたりしています。


動物病院併設の動物保護施設「SPCA
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サンフランシスコ中心部からほど近い立地にある、動物病院併設の保護施設「SPCA(動物虐待防止協会)」。アメリカを代表するノーキルシェルター(殺処分を行わない動物愛護施設)です。

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保護されてきた動物たちの情報はすべてシステム管理され、展示スペース前のタブレットから閲覧することができます。

気になる動物がいたら、ボランティアスタッフに声をかければ面会させてもらうこともでき、その動物の性格や普段の様子を知ることができます。システムと対面コミュニケーション、それぞれのメリットを生かした運用が確立しています。

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実際に部屋に入って、一緒に過ごしてみます。

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相性がとても良い2匹は、ペアで里親募集!

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家族に迎えたいと思ったら、こちらで手続きを行います。

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保護施設の展示スペースにあった、インパクト大のゴールデンゲートブリッジのオブジェ。とても広いスペースに、猫ちゃん1匹がくつろいでいました。遊び心も忘れないところが素敵ですね!

ゴールデンゲートブリッジは印象的ですが、その他の部屋にはソファやテレビを置き、なるべく人間と同じような生活環境を提供することで、人間との生活に慣れさせるという意味もあるようです。


海外の仕組みを知り、日本をよりペットにやさしい環境へ
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今回の訪問では、アメリカの成熟したペット市場を、さまざまな方面から知ることができました。
 
日本と異なっている点はたくさんありますが、その根本としてあるのは「人間とペットの関わり方の違い」。

日本の場合、「ペット=わが子=すべてを人間と同じようにする」という考え方が愛犬愛猫家に広く定着していますが、サンフランシスコにおいては「ペット=わが子=家族の一員だが、人間とペットはルールが異なっており、それぞれのルールのもとに共生している」という価値観があるようでした。
 
サンフランシスコで見たペット業界の仕組みすべてを、日本でそのままコピーすれば良いというものではないと思いますが、魅力的な部分は日本流にアレンジして取り入れていくことができれば良いですね。
 
「ペットが好きな人も、そうでない人も、気持ち良く共生できる」そんな環境を築いていきたいと強く感じた機会でした。

※動物病院事情についてはこちら

ライター紹介

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川村 朱里

大学卒業後に入社した会社で通算300件以上のペットショップ、動物病院を訪問。その時に感じた「ペット業界をもっと盛り上げたい!」という思いをカタチにすべく、一念発起し、シグニに入社してもうすぐ1年。愛犬たちをこよなく愛する、寅年蠍座の1人っ子。