【犬の保定術シリーズ】処置別の保定法  ⑥耳掃除、爪切り、肛門腺絞り時の保定

白金高輪動物病院、中央アニマルクリニック 総院長 佐藤貴紀先生に、犬の保定について記事を執筆いただきました。第6回目となる今回は「耳掃除、爪切り、肛門腺絞り時の保定」について、お届けします。

※第1回「後肢伏在(サフェナ)静脈採血時の保定」についてはこちら
※第2回「頸静脈採血時の保定」についてはこちら
※第3回「留置処置(前肢)と皮下注射時の保定」についてはこちら
※第4回「超音波検査時(心臓、腹部)の保定」についてはこちら
※第5回「レントゲン検査(胸腹部)・眼検査時の保定」についてはこちら


耳掃除時の保定
201703231840_1.jpg
◆ポイント◆
--------------------------------------
頭を動かさないように、頸もしくは口などを押さえ込む。
---------------------------------------------------

(1)可能であれば、犬座姿勢にします。
201703231840_2.jpg


(2)あまり動かないような子であれば、口と頭を押さえるやり方が良いでしょう。
201703231840_3.jpg

(3) 最も安定した保定法は、片方の手で口を押さえ込み、もう片方で前肢を挟み持ちして、その肘で体を挟み込み密着させることです。
201703231840_4.jpg


・保定を嫌がる犬の場合
(1)片方の手で前肢を挟み押さえます。
201703231840_5.jpg

(2)もう片方の手で口を押さえ、耳を出します。この場合、保定者と犬の体を密着させて隙間を作らないようにします。
201703231840_6.jpg

(3)あまりにも頭が動いてしまう場合は、写真のように頸の部分を固定しますが、耳掃除はやりづらくなります。
201703231840_7.jpg

※どうしても嫌がる場合は、エリザベスカラーを使用し、押さえると良いでしょう。
201703231840_8.jpg

201703231840_9.jpg


・大型犬の場合
頸を固定し、顔が動かないようにします。
201704262036_1.jpg

1人で押さえ込む場合は体を密着させ、顔が動かないようにしましょう。
201704262036_2.jpg


爪切り時の保定
201704262036_3.jpg
◆ポイント◆--------------------------------------
頭がフリーになると動く可能性が出てくるので、体と腕で挟み込むことが重要。
---------------------------------------------------

・1人で爪切りする場合
保定者の利き腕で爪切りを行うため、利き腕ではないほうの腕と体で犬の頸を挟み込みます。
201704271119_1.jpg


・保定者と爪切りをする人がいる場合
前肢:
犬座姿勢にし、体が動かないように保定者と密着させ、顔は手で保定して、前肢を前に出します。
201704271119_2.jpg

嫌がる場合は、写真のように保定者の腕で犬の頸を保定しましょう。
201704271119_3.jpg

後肢:
肝心なのは体が動かないこと。嫌がる子は噛み付くので、顔を腕で固定します。
201704271119_4.jpg


肛門腺絞り時の保定
(1)基本は爪切りの後肢と同じで、顔を固定します。
201704271119_5.jpg

(2)保定者の空いているほうの手で尻尾を上にあげ、もう1人が肛門腺絞りを行います。その際、犬の後肢を2本とも頭側へ引っ張ると絞りやすくなります。
201704271119_6.jpg


他の処置別保定法はこちら!
201704271119_7.jpg

※第1回「後肢伏在(サフェナ)静脈採血時の保定」についてはこちら
※第2回「頸静脈採血時の保定」についてはこちら
※第3回「留置処置(前肢)と皮下注射時の保定」についてはこちら
※第4回「超音波検査時(心臓、腹部)の保定」についてはこちら
※第5回「レントゲン検査(胸腹部)・眼検査時の保定」についてはこちら

ライター紹介

56_ext_01_0.jpg

山口 杏

ブライダル業界・インフラ業界・そして前職ではペットフード業界と、さまざまな業界を渡り歩く編集者。「情報を制する者が、マーケットを制す!」という思いから、Vet Lifeを通じ、飼い主さんのニーズや獣医療業界の最前線情報を届ける、お役立ちライターに成長したいと考えている。趣味は動物ブログを読むこと。好きな犬は柴犬、猫は茶トラ。