広がる在宅治療に! 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ「シュアーフューザーA」

入院治療。それは獣医師や動物看護師が常に目を配ることができ、安心感がある一方で、普段とは違う環境や飼い主さんと離れる不安など、動物にとっては大きなストレスになることも…。
 
24時間集中的な治療が必要な場合ばかりではなく、特に夜間は輸液と薬物の持続投与が中心ということもあるのではないでしょうか。
 
一時的であっても退院し、自宅で治療することができれば、動物のストレスも減り、獣医師や動物看護師は帰宅して体を休めることができるので、双方にとって負担を軽減することができます。

そんな在宅治療を可能にするのが、携帯型ディスポーザブル注入ポンプセットです。

今回は、ニプロ社の「シュアーフューザーA」をご紹介します。

★シュアーフューザーとは?
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シュアーフューザーは、バルーンの力によって薬液を持続的に投与することができる携帯用ポンプです。

製造販売元のニプロでは、ディスポーザブル注入ポンプの日本導入を検討したことがきっかけとなり、開発がスタートしました。

名前の由来は、sure(確かな)、infuser(注入器)の組み合わせからきています。

元々人体用として開発され、鎮痛薬や局所麻酔薬、抗癌剤の投与などに使用されていたのですが、ペットにかかるストレス、獣医療に従事する人々の負担の軽減を図れるのではないかと、近年動物にも使用されるようになってきました。


★動物医療における使用症例
実際どのような場合に動物に使用されるのか、使用症例をご紹介します。

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腎不全の動物
慢性腎不全による脱水の補正や、電解質バランスの改善などを目的に輸液をする場合。

乏尿に対する水和および利尿
腎障害などで乏尿になった際の水和や、利尿剤・昇圧剤の投与を行う場合。

癌性疼痛に対する鎮痛
癌性疼痛などの慢性痛に対して、静脈性鎮痛剤(オピオイド)の持続投与を行う場合。


動物にも水分補給や鎮痛剤の継続投与などに使用することができ、自宅での点滴も可能であることから、今注目されている商品です。


★こだわりのバルーン設計
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シュアーフューザーは、開発に約1年半もの時間をかけて作られました。

その理由は、本製品の重要な役割を担うバルーン設計の難しさ。割れを防ぐことが課題となり、とても苦労したそうですが、試行錯誤の末、抗癌剤も入れられる丈夫なバルーンを完成させることができました。

このバルーン内に充填された薬液が、バルーンの収縮力によって押し出され、流量制御部で調整されて持続注入される、というのがシュアーフューザーの原理です。

電気を必要としないため、どこでも使用できるというのが携帯用の利点ですね。


★注入速度可変式とは?
【可変式の構造図】
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シュアーフューザーの「注入速度可変式」では、流量制御部の切替によって注入速度を変えることができます。

シュアーフューザー独自仕様の流量制御部
ディスポーザブル注入ポンプは、気温の影響で薬液の温度が変わると、注入速度が変化してしまいます。

シュアーフューザーの場合、流量制御部を肌に固定して気温の影響を受けにくくすることで、薬液の温度を人の肌の温度(約32℃)に保ち、注入速度を安定させることができます。
※注入速度は人に使用した場合のものです。

注入速度可変式の使用日数は?
使用日数(時間)はバルーン容量から注入速度を割った日数(時間)になります。
⇒例えば、バルーン容量100mLのものを注入速度2mL/hrで使った場合、「100mL÷2mL/hr=50時間」となります。

動物に使う場合も、途中で流量を変えることができるので、動物が痛がった時は飼い主さんに自宅で変更してもらうなど臨機応変な対応が可能です。

動物には可変式が使われることが多いようですが、途中で変わってしまうのが不安だという飼い主の方には固定式を使うと良いかもしれません。


★バルーンの充填を実際にやってみました
▼シュアーフューザーの各パーツ名です。
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それでは、操作手順に従って充填してみたいと思います。

(1)シリンジに液を充填
シリンジ内の気泡は完全に抜いておきましょう。

◆注意ポイント◆----------------------------------
シリンジは必ずロックタイプを使い、針付きシリンジの場合は針を外しておきます。
針を刺すと逆噴射するので絶対に刺さないようにしましょう!
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(2)流量制御部の設定
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流量制御部には切り換えハンドルがついています。

流量制御部のコックの▲印が最大注入速度の位置に設定されているかを確認し、もしされていなければ切り換えハンドルをコックに差し込み、回転させて設定します。

(3)シリンジの接続
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バルーン本体のポートキャップを外し、ポートにシリンジをしっかりと接続します。

(4)バルーンへ充填
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液を入れたところが膨らみ始めました。意外と力がいるので、バルーンに力がかかって折れないように要注意です。

バルーン本体とシリンジを垂直に立て、シリンジの胴体部をゆっくりと押して充填します。

このときフィルターの患者側が上になるようにフィルターを垂直に持ちます。こうすることでフィルタ内の空気をスムーズに除去できます。(フィルタの表側が液で満たされたらフィルタを離します)

◆注意ポイント◆----------------------------------
バルーン本体は支える程度に持ち、シリンジの胴体部を押し下げるようにしましょう。
バルーン本体を押し下げるとシリンジとの接続部が折れ曲がる可能性があるので気を付けてください。
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(5)フィルタを確認
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拡大画像の部分がフィルタの表側です。このフィルターで気泡、細菌、異物を除去できます。優秀ですね。

充填が終わったらポートキャップを締めます。

フィルターの表側に気泡が残っていたら、患者側を上にした状態で持ち、フィルターの容器を指で叩いて気泡を排出しましょう。


(6)プライミング終了!
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ポタポタと液が出てきました。プライミング成功です!

注入ラインに気泡がなく、コネクターから液が流れ出てきたらクランプを閉じてください。このあと、注入速度の設定を行い、患者側のラインに接続します。

操作手順は簡単なので、注意ポイントに気を付ければ、問題なくプライミングまで行うことができます。



★製品品質のこだわり
ニプロ社は、患者や医療従事者の安全を考慮した製品設計をモットーとしています。

シュアーフューザーも、流量精度、リーク試験などを出荷ロットごとに実施し、安全に使用できる製品の品質管理のもと作られています。


★広がる在宅治療という可能性
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飼い主さんの不安を軽減し、動物にとっても安心できる自宅で治療が受けられるようにする取り組みは、ペットの高齢化に伴い、これからさらに必要になってくると思います。

在宅治療の可能性を広げる「シュアーフューザー」、ぜひ取り入れてみてください。

★★取扱い始めました!【注入速度可変式】はこちら★★
★★【固定式】シュアーフューザーはこちら★★

ライター紹介

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吉田 絵里香

猫をこよなく愛するらぶねこライター。愛猫をいつも褒めてくれる動物病院の先生が大好き。シグニでは商品担当として、商品の問い合わせ対応や新商品の導入などを行っている。獣医療業界に携わる方々に商品についてさまざまな情報をご紹介し、商品の魅力をお届けしていきたいと思っている。