プラスモイスト-常識を覆す新しい創傷治療の代名詞-

近年、“創傷治療”が大きな変革を遂げています。
 
これまで傷の治し方といえば、主流は消毒と乾燥を中心とした治療でした。しかしこの方法だと、消毒により傷口の細胞や滲出液の働きを殺してしまったり、ガーゼがはりついて交換時に痛みを伴ったり、乾燥により傷口の細胞が死んでしまうといった弊害があります。
 
そんな治療法と、正反対のものとして生まれたのが「湿潤療法」。ヒトと同じように、獣医療業界でも近年浸透してきている方法です。
 
今回は新しい創傷治療のために開発された、瑞光メディカル社の「プラスモイスト」をご紹介します。

滲出液を生かす湿潤療法の魅力「痛みが少なく、早く、きれいに治りやすい」!
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「湿潤療法」とは、創傷治療=組織培養という概念のもと、創傷面を乾かさないことで再生組織の死滅を防ぎ、再生を促す治療法です。
 
傷口から出るジュクジュクとした滲出液には、傷を治すための大切な成分(細胞成長因子)がたくさん含まれています。湿潤療法はこれを組織培養液として活用し、組織を活性化させて治していくため、傷口にダメージを与えにくく、早くきれいに治すことができます。
 
また、傷口に露出した神経が滲出液で覆われ、直接空気に触れなくなるので、痛みも和らげることができます。
 
ヒトはもちろん、動物にもやさしい治療法です。


新しい被覆・保護材、プラスモイスト誕生
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プラスモイスト誕生のきっかけは「紙おむつ」。湿潤治療が普及しはじめた頃、ヒト医療の現場では紙おむつを傷の大きさに合わせてカットしたり、傷口と紙おむつの間に食品用フィルムを挟んだりして、使用していました。
 
しかし、紙おむつをハサミで切ると高吸水性樹脂が脱落したり、フィルムもコシがなく切りにくかったりと難点が…。
 
そこで立ち上がったのが瑞光メディカル社。「自分たちの吸収体技術を使って、役に立てないだろうか」との思いが、商品開発のきっかけとなりました。
 
目指したのは、「創傷面を乾燥させず固着しないこと」「適度な吸収力を持ちつつ滲出液を保持できること」「希望の大きさや形状に、自由にハサミでカットできること」、これら全ての要望を叶える商品作り。

創傷面は乾燥させないようにしつつ滲出液は吸うようにするという、一見相反する要望に対し、非常に難しい技術課題もありましたが、材料の探索と試作を何度も繰り返すことで、紙おむつで生じていた難点を解消する、独自素材の開発に成功!
 
こうして『プラスモイスト』が誕生しました。



優しく保護して強力サポート!プラスモイストの魅力
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傷口には白色側をあてます。メッシュ面でさらさらしているので固着する心配はなさそうです。

プラスモイストの魅力は、なんといっても「誰でも簡単に治療ができる点」!

使い方はとても簡単。プラスモイストを傷口よりも一回り大きくカットして、白色のメッシュ面を傷口に当てて密着させ、後はテープや包帯で固定するだけです。

失敗する心配もなく、自由に希望の大きさや形にハサミでカットできるので、湾曲している部分にも対応できてとても便利です。固着しにくいので、交換するときの痛みも抑えられるのもいいですね。

触ってみると分かるのですが、厚さ約1mmの非常に薄い素材なのに滲出液をしっかり吸収してくれ、さらに吸収後もほとんど膨張しないため創傷面を圧迫しません。

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薄くて柔らかく、ハサミで簡単にカットできます。穴を開けたり、傷口の大きさや場所に柔軟に対応できそうです。

このシートをあてるだけで適度な湿潤状態を整えることができるというのは不思議な気もしますが、その秘密はメーカーが独自開発した「独立セル構造」にあります。


独立セル構造とは?
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※標準タイプおよび出血創タイプの場合。表面材タイプは吸収層の部分がなく、独立セル構造の部分のみになります。

プラスモイストは、透過層、吸収層、防漏層の3層からなるシート材で、その内の透過層が、立体的な「独立セル構造」を有しています。

創傷面からの滲出液量が少ない場合は、創傷面が乾燥しないよう滲出液が透過層内に残った状態になります。逆に滲出液量が多い場合は、透過層内が滲出液で満たされた後、過剰な滲出液のみ吸収層にドレナージ(排出)されます。透過層内には常に適切な量の滲出液が残るため、吸収過多による創傷面の乾燥を防ぐことができるというわけです。

また、機能性透過膜の使用により、吸収層内の細菌を多く含んだ滲出液の創傷面への逆戻りを防いで感染のリスクを低くすることができ、さらに傷口以外への皮膚への拡散を止めてカブレやふやけを防ぐことができます。



動物病院での使用用途
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動物病院ではどのように使われているのかご紹介します。

 
【使用例】
●一般的な新鮮外傷や術後創、難治性の潰瘍を含む各種潰瘍等。

●ドレインの吸収目的や感染創。(感染源や壊死組織の除去、感染に対する投薬処置等が必要)

●大型犬などの褥瘡処置。

●獣医療者が受けた動物咬傷や引っかき傷など。(動物咬傷の場合は、感染に対する投薬処置等が必要)

 
【使い方】
傷口を水で十分に洗い流して異物を取り除き、傷口より一回り大きくなるようにハサミでカットします。
 
プラスモイスト自体には固定のための自着性(粘着性)がないため、サージカルテープや自着性伸縮包帯等などで固定してください。
 
その際、周囲を密閉せず軽く動かない程度に固定を行い、その上からネットやペットウェア等でカバーします。エリザベスカラー等の併用も有効です。
 
プラスモイストの周囲から滲出液が漏れ出してきたら交換の目安です。


もう迷わない。プラスモイストシリーズの選び方
プラスモイストにはさまざまな種類があります。

今回はその中から標準タイプ、表面材タイプ、出血創タイプ、それぞれの特長と使い分けについてご紹介します。

【標準タイプ】
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左からプラスモイストV、P(2種)、W

◆プラスモイストV
医療機関におすすめの、1枚で簡単に処置できるスタンダードタイプです。


◆プラスモイストP
「プラスモイストV」の少量パッケージです。飼い主の方が自宅で交換・使用される場合やその販売用としておすすめです。


◆プラスモイストW
「プラスモイストV」の滅菌タイプです。手術室等滅菌品が必要な場合に使えます。


【表面材タイプ】
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左からプラスモイストTOP、TOP-P

◆プラスモイストTOP
吸収体(二次ドレッシング材)と貼り合わせて使用する低コストタイプです。貼り合わせる二次ドレッシング材を変えることで、少量から多量までさまざまな滲出液量の創傷に対応できます。


◆プラスモイストTOP-P
「プラスモイストTOP」半分の大きさのシートが1枚ずつ個包装になっており、衛生管理がしやすいのが魅力です。

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剥離紙をはがし、粘着面側をペットシーツなどの二次ドレッシング材に貼りつけて使用します。

【出血創タイプ】
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プラスモイストヘモスタパッド。とても柔らかくフィット感があり、羽毛がフラットになった設計になっているので傷口に固着するのを防いでくれます。

◆プラスモイストヘモスタパッド
昆布などから抽出したアルギン酸塩を繊維状にして不織布に加工したアルギン酸カルシウム塩不織布と、防漏フィルムの2層から構成されています。

アルギン酸カルシウム塩不織布から放出されるカルシウムイオンの働きにより強力な止血作用が得られるため、止血を必要とする創傷に適しています。防漏フィルムが血液が飛散したり漏れたりするのを防いでくれます。


使い分けフローチャート
何を使ったらいいか分からない!
そんな時はまずどのような傷なのかを確認して、フローチャートを使って選んでみましょう。
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医療現場の声をカタチに!徹底した品質で進化を続ける日本の被覆材メーカー
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瑞光メディカル社では未滅菌品も取り揃えていることから、原材料の管理と厳格なクリーンルーム内製造工程の管理・運用を行い、品質管理を徹底しています。
 
また、国内に製造設備を有しており、製品の性能や機能、使い勝手などに関する要望に素早く反応し、改善・改良・開発できる体制を築いています。医療現場の声にきめ細やかに対応した商品を迅速に届けることをモットーに日々進化を続けています。
 
発売開始から10周年を迎える『プラスモイスト』。ヒト医療では、創傷の湿潤療法の周知・普及と共に日本全国に広まっている被覆材です。
 
動物にとっても、痛みが少なく傷痕もきれいに治療できる「湿潤療法」は、とても魅力的な治療法ではないでしょうか。
 
ぜひ、動物の創傷治療にも潤いの力を取り入れてみてください。

標準タイプ(未滅菌)はこちらから
標準タイプ(滅菌済)はこちらから
表面材タイプ(未滅菌)はこちらから
出血創タイプ(未滅菌)はこちらから

ライター紹介

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吉田 絵里香

猫をこよなく愛するらぶねこライター。愛猫をいつも褒めてくれる動物病院の先生が大好き。シグニでは商品担当として、商品の問い合わせ対応や新商品の導入などを行っている。獣医療業界に携わる方々に商品についてさまざまな情報をご紹介し、商品の魅力をお届けしていきたいと思っている。

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