【飼い主のニーズを、データから探る】動物病院の探し方・決め方2017

動物病院の売り上げを伸ばすには、ずばり「新規客をどう増やし、固定客をいかに逃さないか」を考えるのが重要です!

では、飼い主さんは動物病院探しにおいて、一体どのような動きをし、何を見ているのでしょうか。

今回は、600名の犬と猫の飼い主さんにアンケートを実施。その実態を数字から探りたいと思います。
 
【調査実施時期】2017年1月20日~23日
【調査対象者】犬猫を飼育し、主に世話をしていると回答した、22~69歳までの600名(犬と猫の割合はほぼ半数ずつ)
【調査方法】インターネット
【有効回答数】600


9割以上が、かかりつけの動物病院を決めているが、
通ったことのある動物病院数は、平均2.2病院!

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※単一回答

まず伺ったのはかかりつけ動物病院の有無について。

今回のアンケートでは、9割以上の方がかかりつけの動物病院があると回答しました。

それでは一度決めた動物病院にずっと通い続けるのかというと、実はそうではないようです…。

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※単一回答

通ったことのある動物病院数を伺ったところ、平均値は「2.2病院」という結果に!

1病院と答えた方は全体の4割ほど。6割弱の方は2病院以上に通ったことがあると回答しました。5病院以上と答えた飼い主さんは約8%。なかには、なんと22病院に通ったことがあるという飼い主さんもいらっしゃいました!!


動物病院に「変えたくないほど満足している」人は約2
満足点では「説明が分かりやすい・十分である」が最多!

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※単一回答

「現在のかかりつけの動物病院の満足度」についての質問では、約2割の人が「今のかかりつけの病院に、他のところに変えたくないほど満足している」と回答しました。

一方、「不満はないので、変えようとは思わない」という方は6割。「不満があり、変えたいと思っている」と、転院を検討している方は、2.5%ほどでした。
 
では、飼い主さんはかかりつけの動物病院の一体どんな点に、魅力を感じて通っていらっしゃるのでしょうか。魅力に感じるところ、最も自身が重視している点について伺ったところ、次のような結果になりました。

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※1:複数回答、2:単一回答

魅力に感じる点および最重視している点でトップとなったのは「診療技術が高い」を抑え、「獣医師からの説明が分かりやすい・十分である」!魅力と回答したのは全体の7割ほど、最も重視しているとした方は約3割の186名でした。
 
そのほか上位には、「獣医師・動物看護師・受付など、スタッフの対応が良い」「診療技術が高い」「自宅から近くにある」「診療費が適正・良心的である」などがランクイン!
 
さらに注目したいのは、魅力だと思うところで多くの方があげた「土日祝にもあいている」「毎回同じ獣医師が診察してくれる」「病院がきれい・清潔である」「駐車場がある・広い」という点。特に初めてペットを飼育する方は、動物病院が「土日祝にもあいている」ことを知らない方も多くいらっしゃいます。
 
「安心して任せられそうな動物病院さんだな」「ここなら継続的に通えそうだな」と飼い主さんに思っていただくためにも、ホームページにはこれらの点をしっかり盛り込んでおきましょう。


病院を変えたいと思う最大の理由は「診察内容への不安」
スタッフに関するものをあげた人は半数以上!

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※1:複数回答、2:単一回答

別の病院に変えたいと思った理由では、「かかりつけの病院で魅力だと思う」で高ランクを占めていたものとは正反対の、「診察内容に不安を感じた/セカンドオピニオンを求めたいと思った」「獣医師からの説明が分かりづらい/説明が不十分である」「診療費が高い」「獣医師・動物看護師・受付など、スタッフの対応が悪い」などに回答が集中!
 
また、最も重視すると答えた人は少ないものの、多くの方が不満を抱いていたのは「待ち時間が長い」でした。他の動物たちがいる中でペットが興奮してしまったり、いつ順番が回ってくるのか分からない状態だったりすると、どうしても飼い主さんは「待ち時間が長いな…」と感じてしまいます。
 
混雑の緩和には、ホームページでの来院数が多い時間帯の告知や時間予約システムの導入などが効果的。病院外でも待てるように、TwitterなどのSNSで現在診察している方の受付番号を発信する方法も有効です。


動物病院の探し方1位は「自宅の近くで見かけた」
紹介・クチコミで探した人は3割以上に

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※複数回答

動物病院の探し方では半数ほどの人が「自宅の近くで見かけた」を選択。そのうち約3割の方は、知り合いからの紹介やインターネットからの情報、紙媒体と併用していました。また安心感のある知り合いからの紹介・クチコミがあったとの声は約35%に!
 
インターネットを活用する人は全体の3割程度。やはり動物病院のホームページやブログをチェックした人が多く、そのうちさらに3割程の方は複数のサイトを閲覧していました。
 
以前は活用されることも多かった紙媒体を使用した人は8%。中でも人気が高いのは、なんと「電話帳」でした。40~60代で使っていらっしゃる方が多いようです。

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※複数回答

おもしろいのは、犬派と猫派の探し方の違い。犬の飼い主さんは猫の飼い主さんに比べ、自宅の近くや知り合いからの紹介・クチコミで探す割合が高かったのですが、猫の飼い主さんは犬の飼い主さんよりもインターネット検索をされる方が多くいらっしゃいました。やはり犬は散歩でコミュニティが築かれやすく、ご近所の方との情報交換が活発なのかもしれません。
 
探し方について、「若い人や都市部に住んでいる飼い主さんはインターネットを使用するのではないか」「紙媒体は年齢が高めの方に効果的なのではないか」など検証しましたが、いずれの探し方においても年代による違いや地域差は特にみられませんでした。


もし動物病院を新たに選ぶなら…
高支持に「毎回同じ獣医師による診察」「専門領域がある」!

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※1:複数回答、2:単一回答

アンケートでトップ3を占めたのは、「自宅からの距離」や「診療費の明示」、「土日祝の営業」。やはり、まずは“通いやすさ”が重視されるようです。
 
次にランクインしたのは「いつ訪れても、毎回同じ獣医師が診察してくれる」「動物病院に専門性・得意領域がある」。かかりつけの動物病院の魅力に感じるポイントで、上位にランクインしていた対応力や診療技術の高さを、飼い主さんはこれらの項目から判断しているようです。また医療への安心感を高める「病院がきれい・清潔である」も高い支持を集めました。
 
その他の「夜間、救急の受付をしている」「駐車場が広い・ある」「ペット保険が利用できる」「ペットホテルがある」などの設備・サービス面は、多少の差はあるもののまんべんなく注目されています。ホームページや看板等で告知することで、より新規の方の来院を促しましょう。


数字をもとに集客・固定客化の施策を考えよう!
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いかがだったでしょうか。肌感では「これぐらいかな?」と思っていても、数字で把握すると「思った以上に多かった・少なかった」というものもあったのではないでしょうか。
 
目標や取り組みは、数字をもとに考えるとグッと精度が高まります。集客・固定客化のヒントになると幸いです。
 
本シリーズでは、今後も飼い主さんの本音や動きをご紹介する予定です。ぜひご期待ください。

ライター紹介

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山口 杏

ブライダル業界・インフラ業界・そして前職ではペットフード業界と、さまざまな業界を渡り歩く編集者。「情報を制する者が、マーケットを制す!」という思いから、Vet Lifeを通じ、飼い主さんのニーズや獣医療業界の最前線情報を届ける、お役立ちライターに成長したいと考えている。趣味は動物ブログを読むこと。好きな犬は柴犬、猫は茶トラ。