【犬の保定術シリーズ】処置別の保定法 ④超音波検査時(心臓、腹部)の保定

白金高輪動物病院、中央アニマルクリニック 総院長 佐藤貴紀先生に、犬の保定について記事を執筆いただきました。第4回目となる今回は、「超音波検査時(心臓、腹部)の保定」について、お届けします。

※第1回「後肢伏在(サフェナ)静脈採血時の保定」についてはこちら
※第2回「頸静脈採血時の保定」についてはこちら
※第3回「留置処置(前肢)と皮下注射時の保定」についてはこちら
※第5回「レントゲン検査(胸腹部)・眼検査時の保定」についてはこちら
※第6回「耳掃除・爪切り・肛門腺絞り時の保定」についてはこちら

 
<TOPICS>
・心臓検査時の保定
・腹部エコー時の保定


心臓検査時の保定
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保定に必要なもの:
心臓検査エコー台、エリザベスカラーなど

保定者:
1名もしくは2名

◆ポイント◆--------------------------------------
犬の心臓は脇の下の位置にあるため、なるべく前肢を前に伸ばします。
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(1)診察台の上にエコー台をのせて、診察台とエコー台が動かないようにします。

(2)犬をまずは右横臥位にし、保定者の右手で犬の前肢を2本とも保定します。(写真A)
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この時、犬の足と足の間に指を入れて保定します。後肢も同様に行いましょう。挟むことで保定の強度が増します。(写真B)
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(3)ポイントにも記載した通り、犬の脇の下の部分でエコーを行うため、なるべく犬の前肢を前に伸ばします。保定者の肘もしくは腕で犬の顔が動かないように頸部を固定しましょう。(写真C)
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(4)動いてしまう場合や犬が大きい場合は、前と後ろを保定する人が必要です。その際は、両手で1本ずつ四肢を保定します。(写真D)
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腹部エコー時の保定
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保定に必要なもの:
クッション、エリザベスカラーなど

保定者:
1名もしくは2名

◆ポイント◆--------------------------------------
下が柔らかい方が安定し、犬も嫌がらないため、クッションなどを使用すると良いでしょう。仰臥位の場合はどうしても顔がフリーになるため、動いてしまう場合は保定者の追加が必要です。また、犬の足と足の間には、保定者の指を入れて保定しましょう。
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(1)診察台の上にクッションを敷き、診察台とクッションが動かないように固定します。

(2)犬を仰臥位、お腹の中心を真上に向けるように前肢2本を保定者の右手で保定し、左手で後肢2本を保定します。通常は、最初に検査する人の左側(保定者の右側)に犬の顔を向ける保定から始まります。(写真E)
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この際も、心臓の検査と同様に、犬の腕の間に指を入れます。(写真F)
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(3)横臥位もまず検査する人の左側(保定者の右側)に犬の頭がくるようにします。動く場合は後肢をもう1名の保定者で保定します。(写真G)
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他の処置別保定法はこちら!
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※第1回「後肢伏在(サフェナ)静脈採血時の保定」についてはこちら
※第2回「頸静脈採血時の保定」についてはこちら
※第3回「留置処置(前肢)と皮下注射時の保定」についてはこちら
※第5回「レントゲン検査(胸腹部)・眼検査時の保定」についてはこちら
※第6回「耳掃除・爪切り・肛門腺絞り時の保定」についてはこちら

ライター紹介

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鈴木 杏奈

好奇心旺盛でグルメな獣医師ライター。麻布大学卒業。 獣医師免許の他にトリミングライセンスやダイビングライセンスも取得しているが、臨床には進まず、動物看護師とトリマーの専門学校の教員・水の分析会社・ペット保険会社を経験。 現在は「獣医療業界に携わる方々にワクワクを!」という思いのもと、シグニ株式会社でイベントやセミナー・キャンペーンなどのおもしろ企画や有益情報の配信などを行っている。

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